はじめに
本を読みましょう。
動画やネットでも有益な情報は五万とあります。それでも、本を読みましょう。
先人たちが、積み上げてきた知の結晶です。それが1000円前後で買えるって、コスパ最強です。
本のいいところは、主体的に、そして能動的に学習できる点です。
今回紹介する本は、教師として8年目を迎えようとしているわたしが、同僚に読んでほしいと思っている本たちです。
教師としての心構え
新編教えるということ (ちくま学芸文庫) [ 大村はま ]
教育学部を卒業した人なら大村はまさんを知らない方はいないでしょう。大村はまさんは、戦前から活躍し続けていた国語教師です。
教師のあり方、子どもの見方が書いてあります。
「教えるということ」はとてもシンプルで根本的なことですが、できない(やらない?)教師が以外と多いです。
アクティブラーニングが流行ったことで、「教えない」ことが、さも正しいことのように振る舞う人さえいるように思います。
アクティブラーニングは子どもが主語であって、教師が教えてはいけないということでは、全く持ってありません。
豊かな力を、先生の指がふれたことも気づかずに、自分の能力と思い、自分のみがき上げた実力であると思って、自信に満ちて、勇ましく次の時代を背負って行ってくれたら、私はほんとうの教師の仕事の成果はそこにあると思うのです。
出展:新編教えるということ (ちくま学芸文庫) [ 大村はま ]
何度読んでも、自分は教師としてどのように生徒に接していくのかを、改めて考えることができる本です。
仕事の姿勢
エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする [ グレッグ・マキューン ]
教師の仕事には、際限がありません。自分の裁量が大きいため、巨大に膨らみがちです。
授業準備を筆頭に、掲示物の作成、学級通信の作成、エトセトラ、エトセトラ
そんな仕事の中で、優先順位を明確にして、具体的な行動に移していく。
この本を読めば、小手先のスキルではなく、マインドから変わることができます。
『より少なく、しかし、より良く』
仕事をしないことが本質ではありません。本当に大切な仕事を徹底的にやるというのが本質です。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ]
言わずとしれた超メガヒット作。アドラー心理学をわかりやすく読者に伝えています。
教師にとって大切だなと強く感じるのは、「課題の分離」という考え方です。
「馬を水辺につれていくことはできるが、水を飲ませることはできない」
教師は万能ではありません。
人の行動が成果として扱われる職種です。
「生徒が言うことを聞いてくれない!!!」
そんなのはあたり前です。他人ですもの。
彼ら彼女らが、水を飲めるように、水辺につれていき続けるだけです。
子どもたちのこれからについて
LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略 [ リンダ・グラ
我々の生きる「いま」は、日々アップデートしていきます。
終身雇用は崩壊し、AIの台頭によって労働のあり方が大きく変わっています。
それに対し、教育はさして変わっていないのが現状です。
教師一人ひとりが、子どもの未来を考えて教育にあたることが最低限必要です。
これからの未来を考えるための本を紹介しました。
AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]
上で紹介した新しい未来。それに対応する力は読解力かもしれません。
AIは暗記や計算が得意ですが、文章の意味を真に理解することはできません。
AIによって社会が変わったとき、人間が価値を創造するには読解力が必要なのです。
これからの教育は読解力をつけるものになっていかなければならない。というのが本書の主張です。
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) [ 宮口 幸治 ]
非行少年たちの認知機能についての本。
「認知」が歪んでいるため、反省する力すらない人がいます。
しかし、軽度であれば日常は過ごせるために、必要な支援を受ける機会を逃し続け、困難を感じながら生活しています。
受刑者になる前に必要な支援を受けられる。さらに言えば、学校教育の段階で認知機能のトレーニングをする必要があると示唆しています。
支援を必要とする生徒がいない学校は存在しません。
教師が「認知機能」という視点を持って生徒に接することができるかが、必要な支援に繋げることへの第一歩です。
事務作業
Excel 最強の教科書[完全版] 【2nd Edition】 [ 藤井 直弥 ]
EXCELが使えない人が多すぎる世界です。ホント。
わたしも教育学部卒で、EXCELを触ってこなかった人間です。しかし、現場の人はあまりにもひどすぎます。
vlookupやcountifsくらいまでは、使えた方がいいです。sumとかaverageすら使えない人が、ほんとにわんさかいます。
関数の意味もわからずに、成績処理とか恐いです。大丈夫。少し勉強すれば、できます。
ノンデザイナーズ・デザインブック第4版 [ ロビン・ウィリアムズ ]
デザインの本です。非常に簡単に、そして具体的にデザインの基本を勉強できます。
教師はオリジナルでデザインする場面がそれなりにあります。
授業プリントや学級通信、掲示物などです。
どの資料も、「相手に伝えること」が目的です。この本を読めば、子どもが読みやすく、目に留まる資料を作成することができます。
おわりに
知識の定着にはアウトプットが欠かせません。
しかし、インプットがなければアウトプットはないのです。
本を読んだだけで満足せず、実践し、失敗していきたいですね。
本を読む限り、「学び続ける教師」は、それほど難しいものではないと思います。
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