はじめに
今年度から観点別評価が高等学校の全学年で実施されています。
多くの同僚が観点別評価の成績処理で苦心していました。
この記事では、観点別評価を簡単にできるやり方を解説していきます。
出来合いのものを使うだけでなく、自分で関数を組めたほうが絶対に得をします。
IF関数を使う方法もありますが、vlookup関数の方が簡単です。
評価基準の変更や、エラーが起こったときにも対応しやすくなっています。
点数をもとに観点別を自動でつける
例えば、次のような基準を設定します。
0点~29点はC
30点~79点はB
80点以上はA
このとき、素点を入力した表から各生徒にABCを自動でつけていきます。
評価スケールの設定
評価スケールのシートを作成する
評価スケール(基準)は、成績一覧データとは別のシートに作成することをおすすめします。これは、誤ってデータを削除、入力することを防ぐためです。
EXCEL下部の+ボタンでシートを追加し、名前を変更しておきます。
評価スケールを入力
先ほど作成したシートに評価スケールを入力します。
注意点!!!必ず、上から小さい数字を入力してください!!!
vlookup関数は、上の行から検索します。逆の順番にすると、正しく評価されません。
これで、下準備は完了です。なお、評価のスケールはあとから修正することが可能です。
生徒の点数から評価を出す関数(vlookup関数)を入力する
一番上の生徒のセルに関数を入力する
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索条件])
検索値を範囲の中から探し出し、左から何番目の値を返しますよという関数です。
今回のミソは、検索条件を近似一致とすることです。具体的に見ていきましょう。
検索条件【C2】は該当生徒の点数です。
検索範囲【評価スケール!$B$3:$C$5】は先ほど作成した評価スケールになります。$マークは絶対参照というもので、このあと下の生徒たちに関数をコピーする際でも、この範囲は変更しないという目印です。F4キーを押せば、一発で入力できます。
列番号【2】は2列目にABCが入力してあるため、2とします。
検索条件【TRUE】について解説です。
検索条件には完全一致のFALSEと近似一致のTRUEがありますが、今回はTRUEです。(例えば、15点の生徒がいたときにFALSEでは、完全一致の評価スケールがないため、エラーが返ります。)
エンターを押せば、評価が算出されました。10点のため、C評価となります。
オートフィルで生徒全員に関数をコピーする
先ほどのセルの右下を下方向にドラッグアンドドロップで引っ張れば、関数をコピーできます。
これで観点別評価は完成です。なお、素点の入力ミスや、評価スケールの変更も瞬時に計算してくれます。
一度作成してしまえば、名簿を張り替えて使い回すことができます。
vlookup関数は「上セル以上、下セル未満」
評価スケールの注意点です。vlookup関数を使用するときに起こり得るミスは、スケールの持ち方です。
この場合、30点ちょうどの生徒はB評価になります。
素点の部分を誤って29点などと0~29点がCだからといって、29を入力しないように気をつけてください。
おわりに
このようにvlookup関数を使えば、観点別評価を簡単につけることができます。
また、5段階評定についてもvlookupを活用することで、同様につけることが可能です。
成績処理は気を張る作業です。ミスなく確実に行えるように、最低限のEXCELスキルを持ちたいですね。
わたしももともとEXCELを扱うことができませんでした。
できるようになったのは、インプットした知識を常にアウトプットし続けたからに他なりません。
このサイトが参考になれば、できるようになるまで繰り返し活用してください。
Excel 最強の教科書[完全版] 【2nd Edition】 [ 藤井 直弥 ]
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